ショートガンでディテイリングが変わる!高圧用ショートガンの選び方

ショートガンでディテイリングが変わる!高圧用ショートガンの選び方

ディテイリングの必須ツールとも言える高圧用ショートガン。様々なものを使ってきました。すべてのガンに一長一短があり、その感じ方も人それぞれで、どれが正解かはありません。しかしプロフェッショナルの指に直接触れるショートガンは、ディテイリングそのものを変えるほど重要なツールです。その選び方の一例を紹介します。まずは、

主要ブランド

MTM hydro イタリア: イタリアのブランドでおそらくディテイリング界では最もポピュラーな存在なのではないでしょうか。米国ではVELOCIというブランド名でも展開しているようです。品質と価格のバランスが良くビギナーからプロフェッショナルまで幅広く利用されています。私はMTMのSGS28というモデルを当初から使っていました。

 

TECOMEC イタリア:最初に使用したガンです。MV925。イタリア製ですが、日本での取り扱いが多く選びやすいモデルです。これも品質と価格のバランスが良く、オールマイティな利用が可能です。MV925はヘッド部が丸くコンパクトになっています。

 

Mosmatic スイス(R+M Suttner):こちらも有名モデル。世界最高峰のスイベルとして名高いスイス・モスマティック社のガンとして認知されているケースが多いです。実際はドイツのR+M Suttnerという会社がOEM提供しています。Mosmatic社とR+M Suttner社は仲が良く、両社でお互いの製品を扱っています。このあたりになってくると質感、肉厚感、トリガーのフィーリング、すべて上質です。価格も高くなる傾向にあります。

 

R+M Suttner ドイツ:誤解を恐れず言えば、最高品質とも言えるブランドです。非常に数多くの製品を扱っており、ショートガンだけでもかなりの数にのぼります。同じモデルであっても、真鍮製・ステンレス・セラミックボールなど様々な仕様があります。画像は今私が使っているモデルST2700のオールステンレス仕様です。R+Mラインナップの中でも最高峰に位置付けられるモデルです。握った瞬間に頑丈さが伝わってきます。LTFテクノロジーという、わずかな力でトリガーONを継続できる機構を搭載しています。価格はびっくりするほど高いです。

 

LTFテクノロジーとは

通常のガンに比べ、トリガーをONにする力を40%減。トリガーの保持力を90%減小させる人間工学に基づいた技術。R+M Suttner社はプロフェッショナルに向けた製品開発を行っている。

 

選定要素:耐圧・材質・サイズ

まず耐圧ですが、多くのガンは4000PSI(27Mpa)以上です。100V高圧洗浄機ではどうがんばっても10Mpa程度が限界。よってディテイリング作業を十分カバーできる数字です。あまり迷う事はないでしょう。では材質はどうでしょうか。まず見るところはガン先とガン下のホース接続口の金具です。

黄金色は真鍮製です。真鍮製は安価な傾向にあります。とはいっても性能は十分にあります。一つ問題点を上げるとすると、劣化しやすいということでしょうか。付着する水質が悪いとあっという間に腐食していきます。しかし性能が落ちるということはないので、劣化が気にならないのであればコストパフォーマンスに優れる真鍮製を選ぶのがベストです。

 

ガン先だけが真鍮で、ガン下ホース接続金具だけステンレスというパターンもあります。もしこだわりがある場合はすべてステンレス製のものが良いでしょう。腐食に強く、美しいシルバーが所有欲を満たしてくれるはずです。私は触れるものすべてをステンレスにしてしまいたいです。

そして大事な要素がサイズ感です。ガンは一見するとどれも同じサイズに見えます。実際の寸法もそう大きく変わるものではありません。しかし、1mm, 2mmの差が大きくフィーリングを変えます。これはもう実際に持って試してもらうしか伝える方法がないのですが、私の基準で紹介させて頂きます。

 

私はヘッド部を持つ癖があります。なので、ヘッドが小さいほうが手で包み込むようにして持てることになります。そうなると機動力が上がり、腕との一体感が増すのです。

 

こういった感じでガンを振り回しています。

 

例えば今使っているST2700ですと、ボディが大柄なので人差し指を伸ばしてもヘッド部を覆うことができません。

 

例えばこのR+M Suttnerガンの廉価ラインナップST1100を持つとこれだけ人差し指に余裕ができます。こうなるとすごく取り回しがしやすくなります。トラックから軽自動車に乗り換えたようです。ほんの少し寸法が違うだけでフィーリングは大きく変わります。
しかし小さいほど良いのかと言うとそうではありません。水圧やランスの有無によります。ある程度の圧力でランスがある時は踏ん張る必要があるので、ボディが大きい方が良いでしょう。

 

ガンは高価であればあるほど材質が良くなり、重たくなる傾向にあります。高価であれば良いというのではなく、自分の手にどれがフィットするかを見極めるのが重要です。様々試した中で、最もバランスが取れているのがやはりMTM hydroのSGS28でしょうか。しかし高級機、R+M SuttnerのST2700に慣れてしまうと戻れない体になってしまいました。一日何台もの作業をこなすディテイラーにはR+M SuttnerのLTFテクノロジーが助けになってくれるかもしれません。

 

 

選定要素:インレット・アウトレットサイズ

更に選定要素を挙げます。ガンの高圧ホースをつなげる金具をインレット。ガン先の高圧水を出す金具をアウトレットと呼びます。一般的にアウトレットのサイズは1/4メスネジになっています。インレットは概ね3/8サイズが主流ですが、M22なども多く流通しています。

ポイントとなるのはその規格です。日本のディテイル業界ではおそらく米国(中国)規格が主流だと思います。つまりNPTネジということです。NPTネジはテーパ形状をしています。テーパネジは奥まで完全に締まりません。

このように、カプラーと本体の間にギャップがあります。これがテーパネジの仕様です。
例えばR+M Suttner社のガンを米国で買うとNPT仕様になっていますが、EU圏で買うとGネジという平行仕様になっています。以下の通りです。

 

カプラーと本体のギャップがありません。ぴったりくっついています。これがGネジの仕様です。
NPTテーパネジはシールテープで止水。Gネジはロックタイトなどのシール剤を塗布するのが慣例となっています。どちらが良い悪いはありません。好みで選びましょう。
日本はEUからも米国からも中国からも物が入ってくるので規格が混在している環境のようです。どの規格を採用するか。それはオーナー次第です。それがまた面白いですね。私の環境はあらゆるところでNPTとGが混在しています。どちらかというとピッタリ収まるG規格が好きです。

 

選定要素:プラスアルファ

もともとはガンを買う時に、インレット金具に純正スイベル付きのものを探して買っていました。しかしもともと付いてくるスイベルは簡易的なものであり、ディテイリングにおいて有益とは思えなくなりました。簡易的なスイベルは圧力がかかると動きが鈍くなるケースが多く、ホースを取り回す時に知らず知らずに力んでしまいがちです。

純正スイベル付きのガンを選ばなくても良いのです。是非、社外スイベルを検討して下さい。画像のものはノーブランドの安価なスイベルですが、加圧状態でも純正スイベルに比べてもスムーズに回転します。これだけで快適度が向上するはずです。

 

TIPS:セーフティ

先の画像で挙げたガンに、トリガーロックが写っています。

このように、トリガーをONのままロックできるピンです。どのガンにも穴あけ加工で後付可能ですが、ロックしたままガンが手から離れてしまうと、高圧水を吐出したまま硬いガンが飛び回るということになる可能性があります。人・車へ衝突する危険性があることにご注意下さい。

 

TIPS:R+M Suttner ST2700のタフさ

これは10数年間、工場で酷使され続けたST2700です。ボディに割れと、擦れた跡がありますが、LTF機能も問題なく稼働し、トリガーの弾力も新品状態と変わりありません。クランツレとR+Mに共通するもの、耐久性でしょうか。どちらもプロフェッショナルに向けられて設計されています。事実、R+M社は耐久性は品質、研究、開発の本質である」と言い切っています。すごく惹かれます:)

 

以上このように、ガン一つとってもこだわるポイントがたくさんあります。特に今使っているガンに不満がなくとも、あえてこだわって探してみるとまた違った感覚でディテイリングを楽しむ事ができるかもしれません。

 

タフなクランツレ洗浄機に最高峰のショートガンR+M Suttner、これにスイスのモスマティックスイベルが組み合わさったらどうでしょうか。いつかの夢にしておきましょう。

 

ありがとうございました。
:D
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