かっこいい洗車用デュアルランスを製作しよう

かっこいい洗車用デュアルランスを製作しよう

先日からのインジェクターシステム構築の続きです。今回は高圧水とケミカルを噴射するランスを製作しました。RMスタナー社のデュアルランスをカスタムしていきます。

これがRMスタナー社からデリバリされた初期状態のデュアルランスです。ランスの長さは複数選択可能で、今回は顧客の要望で、短いものをチョイスしました。そうですね、あまりクールとは言えないデザインです。

カスタムするためにはランスを一度分解する必要があります。手元には高圧水とケミカル混合液の流路を切り替えるバルブが装着されています。これを傷つけないよう慎重に分解していきます。

ノズルもすべて外します。RMスタナー社は分解されることを想定していないので、非常に強固な接着剤で止水しています。これを外すのがとにかく大変です。

高強度の接着剤を取るには、熱する必要があります。バーナーを使うと早いのですが、炎によって樹脂パーツを溶かし、ステンレスを変色させるので長い時間かけてゆっくりヒートガンで炙ります。樹脂部分は濡らしたウエスで防御しておきます。

外れました。接着剤の量がすごいです。本当に固いです。こういったランスは現場で荒く扱われることを想定しているので、一生外れまいとする熱意を感じます。

元の状態はノズルホルダーが真鍮製ですが、これをステンレス製に変更します。より固く、劣化させないためですが、ステンレスのほうがスタイリッシュに見えるという意味のほうが強いです。

分解できました。

先端のノズルをクイックカプラー化。フォームノズルもコンパクトで鮮やかなブルーのものに変更します。ここのパーツを変更すると、ランス全体の寸法が変わるので、ランスをカットして長さを調整する必要があります。

ステンレスパイプは分厚く、固いのでバンドソーで効率的にカットします。

間違った位置でカットすると、ランスはもう使えないので慎重に寸法取りをします。

バリの処理を忘れずに。

ネジ切りダイスでネジ山を作ります。G1/4平行ダイスです。

このくらい切れればいいでしょうか。

このような仕上がりになりました。

しかしよく見ると、フォームノズルと高圧ノズルが接触しています。ランスとカプラーの角度も何かおかしいですね。これはネジ切りダイスで垂直に切れていないからです。手作業でネジを切る場合、精度を出すことは現実的に厳しいです。とはいえ、これは無視できない精度の悪さです。

このまま顧客に提供することは難しいので、すべてやり直しをします。ステンレスパイプはもうダメなので、解体して新しいもので作り直します。これも強固に接着されているのでとにかく外すのが大変です。クニペックスのコブラに全体重をかけて回します。ロックタイト盛りすぎは法律で規制した方が良いのではないでしょうか。

RMスタナー社純正のパイプベンダーを使います。ステンレスの塊です。

パイプを直で曲げるのは難しいので、長い単管パイプを上から差し込んでテコの原理を最大限にして曲げます。これも曲げすぎたり、角度を間違えると失敗です。

上が元のパイプ。下が新たに製作したパイプです。曲げの角度を微妙にきつくしました。これでノズル同士が干渉しないことを祈ります。

角度出し。曲げた部分が真下を向くように調整する必要があります。この調整がとてもシビアで難しいです。一度失敗し、パイプをダメにしました。2回目でなんとか良しとする精度です。

すべてのパーツを組み上げて完成です。

ちょうどノズル同士が接触せず、かつツラがぴったり合いました。絶妙な加減ですが、うまくいったと思います。ランス製作はインジェクターシステムの中で最も大変なフェーズです。

顧客の要望で、ハンドルも取り付けました。これで90%完成です。ロックタイトの乾燥を待ってテストして終了です。このランスは200Vフルパワー高圧洗浄機にのみ許されたスタイルです。100V高圧洗浄機では圧力と水量が足りなくて泡を生成することができないのです。ごつく重いですが、200Vの圧力がかかると、重量は感じません。むしろ重くないと反動に負けるのでこのくらいがベストです。

RMスタナー社のパーツで構成されたショートタイプのデュアルランス、とてもかっこいいです。

 

 

 

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