高品質な洗浄機器を開発するドイツ・クランツレ社の製品は、欧州・アジア諸国の現場で活躍しています。近年、ディテイル業界でも導入が進んでいます。最大マーケットである米国でも人気があり、インフルエンサーやユーザーの活動により、よりディテイルに適したモデルが製作されています。
1944年生まれ。学校を卒業したジョセフは飲食店などで働きながら旋盤技術を学び、マシニストを目指します。
旋盤技術に自信のついたジョセフは、スチームクリーナーの製作に協力。旋盤とフライス盤を駆使して様々なパーツを製作した。
ジョセフは祖父の力を借りて、当時高価だった旋盤を購入。モノづくりに拍車がかかります。
ついにジョセフは自分の技術力だけで会社を設立。社名をクランツレとしました。事業はバルブ・配管の制御機器の製造を主軸に。このとき現在のトリガーガンに通じるプロトタイプがジョセフによって作られます。最初は木とアルミを組み合わせて作られたものでした。
が採用されました。当初の職場はわずか6×3メートルのスペースしかないガレージでした。彼は1976年から定年の2016年までクランツレの発展に寄与しました。マイクロソフトのビル・ゲイツも、Appleのスティーブ・ジョブズもガレージで創業しています。偉大な誰もが最初はスモールスタートです。
1976年。現代に通じるロゴが作られました。スローガンは「安いよりも完璧が良い!」を掲げます。このスローガンには、製品やサービスの価格を抑えるよりも、最高の品質を優先するという姿勢が表現されています。クランツレ製品がプロフェッショナルに向けて歩んでいくという決意でもありました。
クランツレ社はモーター、ポンプの自社生産を実現。生産能力を高め、世界中へ販売網を拡大していきます。製品は常に革新的でプロの要求に応える耐久性を備えていました。
事業が軌道に乗り、狭いガレージから工場へと移転したときの画像です。それでも決して広くはない社屋で、開発とセールス、配送すべてを賄っていました。
クランツレ社は成長を続け、高圧洗浄機だけでなく、バキューム、床洗浄など様々な分野に進出します。画像はイラーティッセンにあるメインプラントで、開発&製造&セールス部門として機能しています。
同じくイラーティッセンにあるロジスティクスセンター。ここから全世界に製品が出荷されます。
ジョセフ(中央)から始まったクランツレ社は子どもの家族と孫によって受け継がれています。欧州の伝統ある企業は一族経営であることが多く、品質、文化を継続していく最適な形なのかもしれません。
現在クランツレ製品は欧州、アジア、中東、世界70カ国でアクティブに稼働しています。従業員数は245名で、毎年10万台の機器が製造・出荷されています。
大阪に本社がある日本クランツレ社が機器のサポート、ローカライズ、販売、卸を提供しています。日本クランツレもまた、嶋本ファミリーによって運営されています。デコタミンは日本クランツレ社とパートナーシップを結び、ディテイルに特化したオリジナルモデルを共同で開発しています。