[圧力の支配者に] 自分の好みにノズルを組み立てよう

[圧力の支配者に] 自分の好みにノズルを組み立てよう

洗車愛好家は別名、圧力の支配者とも言えます。供給される電気エネルギーによって高圧洗浄機の最大スペックが決定され、その範囲で自在に水を操ることを求められます。水量と水圧の適切なコントロールは汚れ除去効率とケミカル効果を最大化する重要なプロセスです。

実際に、高圧洗浄機本体の仕事は水を押し出すことだけです。圧力を発生させるのは手元のガンに装着されたノズルに空いている小さな穴です。これをオリフィスと言います。

オリフィスサイズによって発生する圧力と押し出される水量をコントロールすることができます。オリフィスサイズを大きくすれば圧力が落ち、吐出水量は大きくなります。しかし、大きすぎるオリフィスサイズは圧力が完全に抜け、高圧洗浄機は機能しなくなります。そして吐出される水量はどれだけオリフィスを大きくしても、高圧洗浄機のスペックを超えることはありません。

逆に、オリフィスサイズを小さくすると圧力が強まり、水量は低下します。オリフィスサイズを小さくすることは、大きくすることに比べてより一層注意が必要です。圧力が強まるとモーターに負荷がかかり、規定の電力を超えてブレーカーを落とす危険性と、モーターへのダメージが残ります。近年の高圧洗浄機には安全装置が備わっているものの、やはりやるべきではありません。

大事なのは適切な範囲で自在にコントロールすることです。例えば名機ケルヒャーK2ではオリフィスサイズ025が最適ですが、030や035などのサイズを選択することにより圧力を落とし、ソフトな洗車が可能になります。その場その場に最適な圧力と水量はオーナーが決定するべきであり、これといった正解はありません。

この重要なパーツであるノズルを自分で組み立てることが可能です。大量生産品のノズルガードとノズルチップが一体型になっているものを使うのが最も簡単ですが、RM社のような高品質なノズルガードと、自分好みのノズルチップを組み合わせるのも楽しみの一つだと思います。そのやり方をご紹介したいと思います。

まず、大きく分けてノズルガードとノズルチップという2つのパーツがあります。それぞれのオリフィスサイズに合ったノズルチップをデコタミンストアで販売しています。ノズルチップは「1/4 NPT オスネジ」という規格が一般的です。NPTはテーパ状のネジになっていますので、止水はシールテープで行います。是非デコタミンストアで販売している「洗車設備にちょうどいいシールテープ」をお使い下さい。

このように巻きました。4〜8巻の範囲を目安にします。今回は6巻にしました。ちょっときついです。この次はノズルガードにノズルチップをネジ込んでいきます。

ノズルガードを固定するためにバイスがあると便利です。もしバイスがない場合はモンキーレンチが2つ必要です。

ノズルガードにチップを差し込み、手で回せる範囲でネジ込みます。

ラチェット+14mmソケットが必要です。ノズルチップはインチサイズを採用していることも多いです。その場合、9/16インチのソケットが必要です。これはあまり一般的でないため、デコタミンストアではDIYしやすいようにmmに対応したノズルチップを販売しています。

ネジ込みます。どこまでネジ込めばいいかを説明するのはとても難しいです。シールテープが潰れる感覚を得てください。ネジの隙間をシールテープが埋め、高圧水を受け止めます。この機械的ではない、微妙な感覚がまたDIYを楽しいものにします。設備DIYを始めるとケミカルにたどり着くまでがとても長い道のりに感じるようになるでしょう。ケミカルというソフトウェアを使うための”ハードウェア”を自分で組み立てる喜びを是非感じて欲しいです。

完成です。あとはこのノズルで試し打ちをして、水漏れがないかの確認をしてください。微量の漏れも圧力の低下につながります。圧力を完璧に自分の支配下に置くには、一切の水漏れを許さない事です。完成まであっけないほど簡単ですが、設備DIYに必要な工程すべてが詰まっています。これであなたも設備マスター。次から次にDIYをしたくなること間違いなしです。

そうですね、あなたを更に設備の深淵に誘い込むために、クニペックスをおすすめしておきます。素材を傷つけず、しっかり握り、確実に締め上げる。設備DIYに、このツールを手にすることから初めてみてください。

8605-250
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TIPS
流通しているスプレーノズルのメーカーはざっくりと”スプレーイング社”と”いけうち社”があります。海外勢はスプレーイングを採用する傾向にあり、国内の産業系、工場ラインは”いけうち”が強いと思います。ノズルの世界は奥が深く、用途によって素材なども様々です。最近は中国の参入も盛んです。中国製品は価格競争力が高く、品質も年々上がっています。デコタミンストアでは主に海外系に準拠し、中国製品の採用を積極的に行っています。ディテイル市場ではそこまで品質を追求しなくても目的を達成できることと、一般化された”洗車”を行うには価格の安さが重要だからです。

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