ショートガンカプラーの交換手順 - カーボンコレクティブショートガンのカスタム
ストアユーザーさんから、カーボンコレクティブ製のショートガンのカスタム依頼を頂きました。
サファイヤブルーカラーがとてもきれいです。このショートガンの先端カプラーの交換依頼です。
この部分です。純正のカプラーはブラックカバーがされています。素材はプラスチックのようで固いです。インレット口は1/4 G平行規格で、そこに1/4 G平行オスネジニップルが装着されていて、カプラーはG平行メスネジという仕様です。ニップルが装着されている分、コストかかってますね。
ショートガンのカバーを外します。トルクスネジです。ネジを外すだけなのでとても簡単です。
カバーを外した状態です。パイプはステンレスで、バルブは真鍮です。R+M社やMTM社の軽量トリガー的なギミックはありませんが、スイベル部分はしっかりしたものが装着されています。このショートガンは問い合わせが多いモデルです。デザイン性が優れているのでファンが多いのでしょう。
カプラーの付け根を観察します。こういったブランド製品はかなり強力なネジロック剤を用いている場合がほとんどです。バーナーで炙れば短時間で外すことが可能ですが、真鍮素材を痛めるのと、カプラーカバーを損傷しそうなので躊躇します。
バイスにかけます。バイスにはパイプを噛む用のアルミ製口金が必須です。アマゾンで買うことができます。
ショートガンのパイプはステンレス性なので、アルミの口金で強く噛んでも素材を傷つけません。
パイプ部分だけを口金で噛んで、がっちり固定するには100mmのバイスがおすすめです。それ以上のサイズにしてしまうと、パイプ部分だけを噛むことができないので作業の難易度が増します。

ネジロック剤を溶かすのに、バーナーではなくヒートガンを使うことにします。ユーザーさんの依頼品を扱う時はヒートガンを使うケースがほとんどです。やはりユーザーさんの手元に戻すのに、素材に焼け跡や傷を残したくないためです。自分の設備をいじる時は時短のためにバーナーで豪快に焼いてしまいます。
カプラーの付け根部分のネジロック剤めがけてヒートガンを当てます。すごく熱くなるので触ってはいけません。なるべく360度まんべんなく当てていきます。時間は要しますが、素材を傷つけず、きれいにネジロック剤を緩めることができます。
するりときれいにカプラーが外れました。次は1/4オスネジニップルにもヒートガンを当てて外していきます。プライヤーは市販のモンキーレンチでも大丈夫ですが、クニペックスを使うともう戻れません。
オスネジニップルもきれいに外れました。
ネジロック剤のカスを真鍮ブラシでこすって取り除きます。真鍮のパーツをブラシで擦る時は真鍮ブラシかそれよりも柔らかいブラシを用います。真鍮パーツに、それより固いステンレスブラシを当てると素材に傷が入ります。加えてパイプの中に入り込んでしまったものはエアを吹いて除去します。
交換用カプラーにネジロック剤を塗布します。このカプラー部分はユーザーさんでも後で外しやすいように中強度のネジロック剤を用いるようにしています。
ねじ込んでいきます。カプラーのオスネジはNPT規格(テーパネジ)なので、完全にはねじ込めません。でも柔らかい真鍮のバルブに固いステンレスのカプラーだと、力をかければどこまでも回せてしまうので、ある程度の感覚で止めておきます。
はみ出たネジロック剤はパーツクリーナーをかけると簡単に除去できます。
あとはカバーをつけて完成です。とてもかっこよくなりました。ネジロック剤は乾くまで1時間以上置くと良いです。

私はNPT規格のちょっとネジ山が見えてるスタイルが好きです。