洗車プロセスを根底から変える。デコタミン・インジェクターシステムの仕様解説
ケミカルを吸い上げ、指定された希釈率で噴射する。それがケミカルインジェクターです。このインジェクターというものは身近な存在で、高圧洗浄機にも一般的に搭載されているし、安価に購入することも可能です。しかしケミカルを複数扱え、高耐圧・酸・アルカリ耐性があり、自由な希釈率を設定できるものとなるとほとんど存在しません。このカテゴリの中でも最高峰に位置するのがドイツR+M Suttner社が開発するインジェクターです。非常に頑丈で精密な作りになっており、欧州のプロフェッショナルディテイラーで数多く導入されています。
このケミカルインジェクターを導入するメリットは以下の通りです。
フォームキャノンが不要に
ケミカルボトルから直接吸い上げ噴射するのでフォームキャノンによる希釈プロセスはカットされます。またケミカル残量の限り連続的に噴射することが可能です。
属人化しない希釈率
担当者個々による希釈率の相違を防ぎ、ケミカル品質を一定に保ちます。
ケミカルコストを削減
インジェクターとセットで使われるフォームノズルは混合液を泡状にする能力が優れています。希釈率を低くしても、きめ細かい泡を生成し、滞留性が高く、ケミカルの効果を最大限適用することが可能です。
作業効率化
ケミカルインジェクターは手元のバルブでケミカル噴射と高圧水噴射を切り替えることが可能です。これはフォームキャノンと高圧ノズル入れ替えの手間が必要なくなり、基礎洗浄プロセスを効率化します。
ではケミカルインジェクターの動作原理の解説です。



インジェクターはベンチュリー効果の原理でケミカルを吸い上げます。吸い上げられたケミカルは加圧水に加わり混合液が生成されます。そこから本体下のアウトレット口へ接続されたホースへ送られます。
送り込まれた混合液はホースリールを伝い、ランスへ送られます。
ランスに装着されたチェンジオーバーバルブを回す事で、フォームノズルへ混合液を送り泡を噴射します。更にチェンジオーバーバルブを回し、高圧ノズル側へ向きを変えるとインジェクターは自動的に混合液生成を停止し、加圧水のみを噴射します。この動作はやや理解しずらいところがあります。つまりインジェクターの動作はキャブレターと同様で、ベンチュリー効果を利用した吸引です。低圧時にそれが働き、高圧下では動作しません。フォーム(泡)ノズルは低圧で、高圧ノズルは高圧です。それらを手元のチェンジオーバーバルブによって切り替え、ケミカル吸引するか否かを決めれるという原理です。
以上がケミカルインジェクターの仕様概要です。仕様は要件に応じてカスタマイズ可能です。オプション品は多岐に渡り、それぞれの環境に応じたセットアップをする必要があります。今後も情報をアップデートしていきます。
以下の動画はインジェクターを用いてノータッチ洗車を行った実例です。