高圧洗浄機。再生と進化。クランツレK1122TSのレストアとチューニング

高圧洗浄機。再生と進化。クランツレK1122TSのレストアとチューニング

大阪・日本クランツレの工房でK1122TSのレストア作業をしてきました。レストア品は特価で販売が可能です。今回はレストアプロセスの詳細をお伝えします。

デコタミン.comで扱うクランツレ高圧洗浄機K1122TSは100V電源ながらボディは上位機種200V用を用いて作られています。非常に強固に作られているのでハードな使用にも耐えます。モーター・ポンプさえ無事であれば各部パーツを交換することで蘇ります。

 


レストア対象機です。まずは分解して状態チェックから入ります。


まずはポンプです。高圧洗浄機にとって重要な部分です。このポンプの容量によって最大圧力と最大吐出水量が決まります。一般的な高圧洗浄機はポンプ容量を小さくして価格に最適化していますが、K1122TSの場合は100Vで出せる能力以上のポンプスペックを備えています。このあたりが価格が高くなる理由でもあり、高耐久の所以でもあります。HEAVY DUTYしかしオーバースペック。それがドイツ・クランツレです。


圧力の塊のようなマシンなので、分解するには熱が必要です。加熱膨張を利用して、各パーツを外していきます。



固着が激しい場合はドリルで直接外します。屈強に作られている分、バラすにはそれなりの力が必要です。


次は駆動部を外していきます。高圧洗浄機は大きくわけてポンプ・駆動部・モーターというパートに分かれます。それぞれが正常に機能して初めて体をなします。


これがポンプに水を押し込むピストンです。セラミックコートされています。ピストン部には水の漏洩を防ぐO-ringが装着されています。分解した場合は必ず新品に交換します。このピストンも年季が入っているので新品に交換です。


プレッシャーバルブとサクションバルブです。共通部品です。上が酷使されたもの、下が新品です。まだ使えそうですが、コア部品なので交換します。こうして様々なパーツを一つ一つリプレースしていきます。


内部の汚れを灯油で洗浄します。外装はブラスト処理するとキレイになりますが、すべての工程をこなしていくと当然コストがかさみます。よって機能に直結する部分に絞ってレストアしていきます。


モーター本体まで分解が進みます。レストアの可否を決定するのがこのモーターの劣化具合です。ポイントはコイルを巻く樹脂の劣化による漏電です。


漏電無し。ここがレストアの運命の分かれ目です。漏電が確認されれば廃棄、なければ再生の道を辿ります。とはいっても、モーターそのものが壊れてしまうのは稀です。


これでほぼ再生完了です。ここからはチューニングです。ピストンを動かす心臓部。スワッシュプレートを変更します。角度を大きくしてピストン幅を増幅。ポンプにより多くの水を送り込めるようにします。角度の見極めは難しく、ポンプの容量や消費電力を計算して行う必要があります。


最後にオイルを補充します。カストロールフォーミュラ10W50を使います。そして最終テストです。


100V領域の中で実測で水量8リッター/minを出します。一般的な100V高圧洗浄機は5〜6リッター/minというところを見ると、大きな進歩です。しかし性能を水量に振った分、吐出圧力は低下します。約7メガ〜8メガといったところでしょうか。何故圧力を犠牲にしたのでしょうか。それは100Vマシンはがんばっても10メガ程度の圧力しか出せません。これは表面の汚れを落とすのに充分な力とは言えません。よって性能を水量に振った方が残留ケミカルを効率的に落とす事ができ、総合的にメリットが大きくなる。という判断です。


こうしてレストアが終了。また元気に水を吹き続けます。ベースがしっかりとした作りのクランツレだからこそできる事です。レストア品を作れるチャンスは少なく、安定供給は難しいですが、出物があれば特価でご案内が可能です。現在60Hz×2台。50Hz×1台あります。ご興味があればお問い合わせください。読んで頂いてありがとうございました :D




  • デコタミン.comは日本クランツレの正式パートナーです。
  • レストアにはすべてクランツレ純正パーツを使用しています。
  • レストアサービスはデコタミン.comのみで提供しています。
  • 画像にあるポータブルタイプはデコタミン.comのみの取り扱いです。日本クランツレへの問い合わせはお控えください。
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2件のコメント

はい可能です。以下のお問い合わせフォームからコンタクトを頂けますと幸いです。
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宮川潔之

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