R+M Suttner 至高のショートガンを更にアップグレードする

ユーザー様からのカスタム依頼です。R+M Suttner社のショートガンのアウトレットカプラーにプロテクターを装着します。
この黒いギザギザのパーツです。カプラーとショートガン本体の間に噛ませることによって、落とした衝撃からカプラーの接続部を守ります。カプラーの接続部は衝撃に弱いので理にかなったカスタムとも言えます。
これらが現状お使いのRMのショートガンです。RMフリークの方で、たくさんのRM製品をデコタミンストアで購入頂いています。
分解していきます。ネジをはずすときはトルクの小さいペンインパクト。締めるときは手で回します。最近のドイツ製は、ネジ規格がトルクスに変わってきています。
ショートガンの中身です。オールステンレス仕様です。ユーザーさんはステンレスに強いこだわりを持たれています。
RMのショートガンはLTFテクノロジーという機構が搭載されており、トリガーONの状態を力をかけずに維持することが可能です。100V家庭用高圧洗浄機ではほとんど必要のない機構ですが、200Vの高圧マシンでは、この機構がないと疲労が溜まり、継続して高圧水を打ち続ける事が困難です。デコタミンストアで取り扱うMTM社のショートガンにも同じような機構が搭載されています。しかし数あるショートガンの中でもRM社の品質は別格の次元にあります。その分価格も高いです。
カプラーの脱着には強い力をかけるのでバイスが必須になります。噛んだ時に、ステンレス素材を傷つけないようにアルミのプレートを敷いています。
クニペックスのモンキーで外します。クニペックスがないと生きていけません。カプラー部分はロックタイト中強度で固定しておいたので、熱をかけなくても力で外すことができます。ロックタイトの強度は力が加わる部分、永遠に外れてほしくない部分、何度も取り外す可能性がある部分などに応じて、強・中・弱を使い分けています。たまにロックタイト強でガチガチに固定したのに、やり直しとかになると泣きそうになります。
カプラーが外れました。RM社はドイツが本拠地で、もう一つ、RMアメリカがあります。前者はネジ規格がG平行ですが、後者はNPT(テーパ)になっています。出元がどこかによってネジ規格が変わります。デコタミンストアのRM製品は、すべてドイツからなのでG平行仕様です。
仮合わせを行います。プロテクターと、銘打ってはいるものの、実はクランツレの低圧用のパーツを流用しているだけのオリジナル仕様です。カッコいいと信じています。
これです。本来何に使うのかは、忘れてしまいました。
このままでは穴の径が小さすぎるので加工していきます。ステップドリルで広げます。
段階式なので、微調整は効きません。でも良い感じのところで止めます。基本的に洗車設備はクルマなど規定トルクがしっかり定義されている世界とは違って、勘の部分が多いです。
このままだと厚すぎるので、微妙に削ります。これも感覚でやるしかないです。いい感じのところまで削ります。
こうして本組みをしていきます。いい感じに仕上がりました。たいていガレージで作業をしていると時間を忘れて、夜中になっています。ユーザーさんに「いい感じの仕上がりです」と報告すると、返事が返って来る頃には力尽きて寝ています。すれ違いを繰り返しながら、一歩一歩組み上げていきます。
同じ作業を繰り返し、すべてのショートガンのプロテクター装着が終わりました。
世界で一つだけのショートガンが完成です。
洗車設備には様々な面があります。業務用として、家庭用として、そして高い趣味性です。このすべての面をデコタミンストアはサポートしています。特に最近、洗車設備に趣味性を求める方が増加傾向にあると感じています。みなさん細かなところへこだわりを持たれるので、置いていかれないように、日々勉強しています。
RM社製品、クランツレ社製品は個人的に憧れのブランドです。このブランドに出会った時、いつか自分の手で広めていきたいと強く思いました。しかしどちらも奥が深く、まだまだスタートラインを脱していません。でも、洗車設備を突き詰めていくと必ずこの2つのブランドに行き着くと信じています。その至高のブランドを更にパーソナライズするという目標を持ち、リクエストに応えていきたいと思います。読んで頂いてありがとうございました。